このたびは弊社の採用にご関心を賜り、ありがとうございます。
弊社は全世界を取り扱う旅行会社です。しかも、自然、文化、芸術、人間をテーマにお客様の知的好奇心を満たす旅づくりを心がけています。したがって、以下のような内容は弊社では一般常識となります。
一般常識(自然/宗教・信仰/美術・建築/歴史・人・文明・文化)
以下の内容もお読みいただき、弊社の採用の考え方とご自身の就職動機を充分に比較検討した上で、応募いただきますようお願い申しあげます。
1.旅行が好きという理由だけでは、弊社への入社には至らないことをご理解下さい。
旅行が好きという方は世の中にたくさんおり、旅行好きをアピールされても、ご自身の強みや長所を伝えることにはなりません。趣味の延長ではなく、仕事として旅に関わるということを踏まえ、旅行以外のことで自分に何ができるか、自分はどうなっていきたいか、をお考え下さい。ご自身の旅行経験や、訪問国の数をアピールされる方も同様です。
2.語学力を生かすという理由だけでは、弊社への入社には至らないことをご理解下さい。
今日において、英語ができるということ自体は、特に強くアピールできることではありません。弊社ツアーにご参加されるお客様にも、語学堪能な方がたくさんいらっしゃいます。英語の日常会話ができても、日本語での説得力に欠ける方がいらっしゃいますが、日本の会社で、日本人のお客様を相手に仕事をする以上、まず鍛えなければならないのは日本語での説得力であり、その力をつける為の知識や考察力を高めることが先決です。それらの基本ができたうえで、英語ができなければ仕事ができるようになりません。 また、英語以外の言語については、弊社では入社後に特定の地域のみを担当し続けるということはありませんので、英語以外の言語ができることが採用の上で特別に有利になるということはございません。
3.弊社の行っている事業に文化的な香りを感じたからという理由だけで、弊社を志望することはご遠慮ください。
知的好奇心を満たす世界の旅は傍目には文化的な事業を行っている会社のように見えるかもしれません。世の中には、文化をファッションのように捉えたり、世間的に好印象を持たれる活動のように感じ、そうしたことに携わることだけで満足する人がいます。しかしながら、営業や販売など葛藤や軋轢の多い職種を嫌う方がそうしたものを志向することが時々あります。
文化の本質はコミュニケーションです。その能力に長けた人こそが、そうした活動を生きたものにすることができるのです。コミュニケーションというと、社交性とか、話し上手ということだけを思い浮かべる方がいますが、それだけではなく、理解力と説得力がもっとも大事です。国際舞台で難しい文化活動を推進するリーダー達の場合も、最大の仕事は交渉や折衝です。彼らは、優れた営業マンと同じ資質を持っています。ですから、弊社で仕事をする場合も、まず、優れた営業ができるかどうかが問わることになります。
4.発展途上国の旅行を数多く取り扱う弊社の事業を見て、NGOなど国際支援やボランティア活動に類似したものと考えて志望をされる方がいらっしゃいますが、大きく異なっています。
一番異なるのは、税金や寄付などによって集めたお金から、社員の給与が支払われたり、それをどう使うか検討するのではない、ということです。まず最初に自分が提供するサービスや商品があり、その内容や品質などが優れ、誰かに評価されて購入されてはじめて、対価が得られるということです。
常にシビアな結果に晒されるわけですから、自分自身の活動に自己満足する暇はありませんし、うまくいかない場合、言い訳すること自体にも意味がありません。 それだけシビアな環境のなかで成果を出し続ける能力を充分に備えなければ、たとえ困難な人の支援を行っても自己都合的な支援しかできず、真の意味で、人の支援などできないと私どもは考えております。
5.好きな仕事がしたい。お金も欲しい。プライベートな時間も充分に確保して遊びたい。自分に実力が備わっていないうちから、あれこれ欲する人がいます。
現実社会でそうしたものを全て実現した人は、相当な覚悟と努力を継続して、よ うやく理想的な環境を手に入れています。今日の社会では、誰しもそれなりの努力はしますが、理想的な環境を手に入れるためには、人に抜きんでる能力を身につける必要があり、人の何倍もの努力が必要になります。自分に充分な実力をつける前から欲しいものばかりあれこれ考えると、絶望したり失望するのが目に見えています。
また、弊社の仕事内容や添乗先地域、顧客層を考えると、外見のスタイル(髪型など)に強いこだわりがある方は、残念ながら弊社での仕事は難しいと思われます。
6.仕事ができる人は、会社や職種に関係なく力を発揮します。
たとえ上司に問題があっても、その上司を反面教師にできますし、仕事ができすぎる上司のために自分のチャンスが限られる場合も、その上司と仕事をしている間、その人の優れたところを吸収しようとます。人が5年かかるところを3年で、3年かかるところを1年でできるようにしようと本気で具体的に取り組める人だけが、 今日の停滞社会で伸びることができます。
これだけ行き詰まった時代に、人と違うことをしたいと思えば、まず人がやっていることを当たり前のようにやり、周りから信頼感を獲得したうえで取り組まなければ実現は難しいでしょう。そのためには、人と同じような時間の使い方をしていてはダメだということです。
好きなことをやろうと思えば、支援を充分に受けられる人は別として、まず自分で自分の面倒を見れるよう稼がなくてはなりません。会社という守られた環境で好きなことをやるためには、まずは会社に対して充分な貢献ができており、周りからの信頼と期待が厚いことが前提です。そうなるためには、自分を鍛える時間と努力が必要になります。
会社の環境にばかり期待して、すぐに自分の好きなことが叶うというものではなく、自らの行動次第で可能性は無限大に広がるということです。
旅を通して、自分を育てていく。 ~ユーラシア旅行社からのメッセージ~
今日、自分で旅することが得意な人や、人に自分の旅経験を話せる人は増えています。また、世の中には様々な旅行商品があり、限られた旅行においては対応できる旅行会社の社員も多くいるでしょう。しかし、地球上のあらゆる地域において、企画・手配、営業、添乗などトータルな仕事ができるプロフェッショナルは、現在の日本には数多くいません。ユーラシア旅行社が目指しているのは、まさにそういう仕事です。
ユーラシア旅行社は、これまで35年以上にわたり、世界170ヶ国を舞台に「自然と人間と文明を見つめる旅」をテーマにして行ってきました。これまでの実績で世界中に張り巡らされたネットワークがあり、情報・知識も厚く蓄積されており、現地での突発的なトラブルなどに対する会社の経験も豊富です。そうした“場”の力が人を育て、個人では不可能なことも可能にしていきます。
ユーラシアの旅に参加するお客様は、ありきたりの旅では満足できなくなった方々です。また、一般の旅行社のパッケージツアーの多くは、相変わらずコミッション目当てに免税店やお土産物屋に連れまわすものが多いですが、そうしたツアーを敬遠して、その土地ならではの体験を求めている方々です。
ユーラシア旅行社は現場主義ですから、社員は海外の異なる地域を数多く添乗します。世界を直接見て感じることと、お客様と直接触れあうことで、初めてわかることがたくさんあるからです。 社員になれば色々な国を訪れることができるなどと言うと、旅行好きの人は魅力的に感じることが多いのですが、自分で気楽に旅をするのと、その旅の運営に責任を持つことは大きく異なります。一流レストランで食事を楽しむ人と、そのレストランで食事やサービスを提供する人が同じである筈がありません。後者は、自分たちが提供するサービスの全てに神経をとがらせ、時間をかけながら最高のものを目指して切磋琢磨し続けるでしょう。
旅行も同じで、本当の意味でプロフェッショナルになるまでに時間もかかります。学ばなければならないこともたくさんあります。しかし、若い間に時間をかけ、苦労して自分のなかに築き上げた力は、後になって生きてくるのは間違いないと思います。 自分で旅をすることも喜びだけれど、それ以上に、旅を通して多くの人に喜びを与える仕事に打ち込みたいと思う人は、ぜひ、選考にお進みください。