数々の古城と美しい絶景、素朴な風景のみならず、英国の王位継承者の称号が物語る英国における重要性を秘めたウェールズ。山や川、海などの自然に恵まれ、ダイナミックな地形と古い伝統を大切にする人々が暮らすこの地は「英国の中の異国」と呼ばれています。

ウェールズとは

「プリンス・オブ・ウェールズ」。英国の王位継承者の称号を見れば、イギリスにおいていかにウェールズが歴史的に重要な土地かがわかります。その一方で、山や河、海などの自然にも恵まれ、ダイナミックな地形と古い伝統を大切にする人々が暮らすこの地は、「英国の中の異国」と呼ばれています。四国と同じくらいの面積の土地に、数々の古城と美しい絶景、素朴な風景が詰まっているウェールズ。いざ、謎多きかの地へ出かけましょう。

イギリスの中の異国、ウェールズ

カナーヴォン城
カナーヴォン城

世界で最も「城の密集度が高い国」と言われるウェールズ。ケルト系の小国家が存在していたウェールズに13世紀、イングランド王エドワード1世が侵攻し併合しました。エドワード1世によって建設された城は、北ウェールズを環状にぐるりと囲み、「アイアン・リング」と呼ばれています。城の数はなんと17。王は妃にこのウェールズの地で皇太子を生ませ「プリンス・オブ・ウェールズ」の称号を与えました。この制度は現在も続いており、イギリスの王位継承者チャールズ皇太子もカナーヴォン城で戴冠式を行いました。
 

コンウィ城にある英国で1番小さな家

カナーヴォンと双璧をなすと言われる美しさと堅固さを誇るのがコンウィ城です。コンウィ渓谷の河口にある岬の端にあり、3方を海で囲み、円塔は2段重ねという用意周到さ。エドワード1世自らもここに暮らし、堅牢な城壁と町を作りました。TEAM EUROPEのヨーロッパの美しい村30選に選ばれたコンウィ城下町のそぞろ歩きも楽しく、「英国で一番小さな家」も見逃せません。

ケルトとウェールズ語

世界一長い駅名看板
世界一長い駅名看板

イングランドの制圧があっても頑なに守り続けられているウェールズの文化。ルーツであるケルトの影響が今も色濃く残っています。例えば、あちこちで見かける「読めないアルファベット文字列」、ウェールズ語です。ようこそ!が英語だと「Welcome!」なのに対してウェールズ語では「Groeso!」になります。古代ケルト語から派生しているので、英語とは全く別の言語なのです。

そのようなウェールズ語の看板は恰好の被写体のひとつ。なかでも、世界で最も長い駅名で有名なアングルジー島の「ランヴァイル・プルグウィンギル・ゴゲリフウィルンドロブル・ランティシリオゴゴゴホ」駅をお見逃しなく。

英国屈指の庭園ボドナント・ガーデン

ボドナント・ガーデンのキングサリ(イメージ)
キングサリのアーチ(イメージ)

イギリスは、国民が皆ガーデナーといわれるほどに、家庭の庭から宮殿の庭園まで、自然と四季を楽しむ庭造りが盛んです。19世紀半ばに北ウェールズの丘陵地に移住したポドナント家は、代々植物をこよなく愛し、自らの庭を様々な植物で飾りました。季節ごとに様々な植物が見頃を迎えますが、なかでも人気なのが5~6月頃に盛りを迎えるキングサリ(ラヴァーナム)です。その名の通り、金色の鎖がトンネルのようになる様は圧巻の一言です。

可愛いのに力強いスノードン登山鉄道に乗る

スノードン登山鉄道
可愛いくて力強いスノードン登山鉄道

北部ウェールズにあるウェールズ最高峰のスノードン山(1,085m)。ふもとのスランベリスから、スノードン登山列車に揺られて登ります。そのときによって蒸気機関車かディーゼルかと異なりますが、1000m近い高低差を客車を押しながら一生懸命に登っていきます。片道1時間ほどの乗車の間、山に海の風がぶつかり目まぐるしく天気が変わる様は「1時間のなかに春夏秋冬がある」と言われるほど。緑の山を飛び去る霧、時折見える湖や海。雄大な景色を楽しむことができます。

世界遺産の水道橋を船で渡るナローボートクルーズ

ポンテカサステ水道橋のナローボートクルーズ
幅の狭い船「ナローボート」

運河を渡すルートの中に川と谷がある―この問題を解決すべく1805年に完成したのが、世界遺産にも指定されているポンテカサステ水道橋です。運河は河をまたぐ19本の橋脚に支えられ、川面の上30mの地点を超えていきます。現在運河はウォーキングやクルージングの場所として人気。特に、小さな幅の狭い船「ナローボート」でのクルーズは、のんびりとした田舎の風景を楽しむには最適です。

ワーズワースも愛した美しき廃墟ティンタン・アベイ

ティンタン・アベイ
シトー派の修道院跡ティンタン・アベイ

すっと点に延びたゴシック様式の優美な柱、尖頭形の大きな窓、軽やかなアーチ。しかしここは既に打ち捨てられた廃墟です。12世紀にウェールズで最初に建設されたシトー派の修道院は、会則にのっとり彫刻等の派手な飾りがないシンプルな佇まい。光と影のコントラストが美しい教会でした。修道院は長らく住民への影響力を保ち繁栄してきましたが、新しい時代の中で解体され、現在は部分的に残されているのみです。18世紀以降ギルピンやワーズ・ワース、ターナー等多くの画家や芸術家がここを訪れ、その静かな美しさを讃えています。

イングランド南西の果て、コーンウォール半島と周辺

英国南西部のコーンウォール半島とその周辺部は「アーサー王」ゆかりの地であり、あちこちに伝説がちりばめられています。今も語り継がれる、騎士道と戦いと、魔法にあふれた世界。コーンウォールの個性的な風景の数々を見ていると、そんな物語の世界が現実に起こったのかもしれないという錯覚を覚えます。現在も、多くのファンタジー映画などの撮影の場所として使われていて多くのファンを魅了し続けています。そんな、物語の世界のワンシーンのような絶景を訪ねて、英国の南の端まで足を延ばしましょう。

アーサー王ゆかりの地を巡る

英国一のパワースポットグラストンベリー・トール

グラストンベリートールに建つ聖ミカエル礼拝堂跡
英国一のパワースポットグラストンベリー・トール

イングランドの南西部には多くの「アーサー王ゆかりの地」があります。例えば、今や英国一のパワースポットとして人気のグラストンベリー・トールという小高い丘は、アーサー王最後の地アヴァロン島であるとの伝説が残っています。丘の頂上には英国最初の教会と言われる聖ミカエル礼拝堂跡もあり、古来より人々を惹きつけてきた不思議な力を感じます。さらにグラストンベリー修道院ではアーサー王のものとされる墓も発見されています。

アーサー王が生まれた城ティンタジェル・キャッスル

ティンタジェル・キャッスル
アーサー王生誕地伝説の場所

時代は紀元5~6世紀、ところはブリタニア。現在のウェールズやイングランド南部の小王国が、しのぎを削りながら迫りくる異教徒たちとの闘いに明け暮れていました。多くの戦士や王の伝説は、やがて十字軍の遠征や巡礼者とともにヨーロッパを旅し、各地の様々な伝説・空想と混ざり合い、やがて理想の王と騎士たちの物語へと紡がれてゆきました。アーサー王が生まれたとされるティンタジェル・キャッスルは今や城跡にすぎませんが、打ち寄せる波や風の音に、中世から続くイマジネーションの源を聞いた気がしました。

一人の女性が作り上げたミナックシアター

ミナックシアター
ミナックシアター

大西洋を見下ろす断崖に沿って作られたミナック・シアター。背景が海というユニークな舞台を見に毎年8万人の観客が訪れ、年間15万人もの人々が劇場そのものを見にやってきます。1931年の冬、この崖の上に暮らしていた一人の女性が、シェイクスピアの「テンペスト」をここで上演することを思い立ち、庭師とともに重い花崗岩や土砂を運び、客席や舞台を造り始めました。以降50年かけて少しずつ劇場を整備し、現在の形になりました。

海に浮かぶ天使の島、セント・マイケルズ・マウント

海に浮かぶ天使の島セント・マイケルズ・マウント
海に浮かぶセント・マイケルズ・マウント

騎士の姿で剣を携え悪魔を討つ天使、大天使ミカエルはキリスト教にあまり縁のない日本でもよく知られています。その人気は本場ヨーロッパでは言わずもがな。あちこちにミカエルに関連する聖所があります。おそらく中でも人気・知名度ともに第一位なのはフランスのモン・サン・ミシェル修道院でしょう。そしてそのずっと西にあるコーンウォールのセント・マイケルズ・マウントもまた、引き潮の時のみ陸続きになる島の上に設けられた修道院です。歴史はモンサンミッシェルよりは新しい12世紀の開山です。

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