ルーマニアには、他国の雰囲気を醸す中世の街並みとルーマニア独特の景観をもつ旧市街がある地方の街や村、森林が多い自然環境ゆえの木造建築物など見どころが多彩。首都ブカレストには共産党時代の建造物が残り、王国時代の優雅な建造物のなかで異色の雰囲気をだしています。ルーマニアが辿ってきた歴史を街並みや人々の暮らしから紐解いていくように観光地を丁寧に巡ってご案内いたします。

ルーマニア共和国とは

一般情報

【面積】約23.8万平方キロメートル(本州とほぼ同じ)
【人口】約1,976万人(2016年)
【首都】ブカレスト(Bucharest)
【民族】ロムニ(ルーマニア人)89%、マジャル人(ハンガリー人)6%、ロマ人が2%、その他3%
【言語】ルーマニア語(公用語),ハンガリー語
【宗教】ルーマニア正教,カトリック
【時差】日本よりマイナス7時間(サマータイム時マイナス6時間)

昔ながらの伝統と生活が残るマラムレシュ地方へ

郷愁あふれるルーマニアの桃源郷

マラムレシュ地方の風景

藁を積んだ馬車が走り、羊が放牧され、日曜になれば民族衣装を着てミサへ出掛ける。カルパチア山脈に抱かれるマラムレシュ地方は、昔ながらの生活が現在でも残る、まるでルーマニアの桃源郷。糸を紡ぎ、自然とともに暮らす、心温かいマラムレシュの人たちが暮らす光景は、ここまで足をのばす価値があります。

【世界遺産】マラムレシュ地方ならではの木造建築教会

木造教会

マラムレシュ地方の木造教会

サプンツァの陽気な墓

サプンツァの陽気な墓

ウクライナとの国境に近いマラムレシュ地方では、独特な建築様式の木造教会群が目を引きます。高い塔は、敵の来襲を知る為の見張りの塔の役割や、急傾斜による積雪対策の効果があります。ユーラシアの旅(ツアー)では、木を大切にするマラムレシュ地方ならではの木造教会で、世界遺産に登録されている「スルデシュティ村の木の教会」と「ブデシュティの木の教会」へご案内。また、この地域ならではの彩り華やかな「サプンツァの陽気な墓」へもご案内します。

ブコヴィナ(モルドバ、モルダヴィア)地方の修道院群

【世界遺産】東方正教美術に触れる、5つの修道院

ヴォロネッツ修道院

ブコヴィナ地方の修道院群(ヴォロネッツ修道院)

外壁に描かれた『最後の審判』

ヴォロネッツ修道院

ルーマニアを訪れたのなら、必見の観光地ブコヴィナ(モルドバ、モルダヴィア)地方の修道院群。特におすすめは、15~16世紀に建造され、世界遺産に認定されている5つの修道院。外壁に聖書にまつわる美しいフレスコ画がびっしりと描かれているのが特徴。文字を読むことが出来なかった人たちのために聖書の内容が外壁に施されました。 ルーマニア北東部の黄金時代を象徴する修道院と、その周辺の自然美に心が癒されます。

トランシルバニア地方のドラキュラゆかりの町とみどころ

【世界遺産】吸血鬼ドラキュラの故郷シギショアラ

シギショアラの街並み

ルーマニアのちょうど中心に位置するトランシルヴァニア地方のシギショアラは、12世紀にドイツ系のザクセン人が入植し、手工業で栄えた町です。旧市街から見下ろすと、茶色い屋根の趣ある家々が広がり「ルーマニアの宝石」と称えられ世界遺産に登録されています。また、ドラキュラのモデルと言われるヴラド・ツェペシュ生誕の地でもあります。

吸血鬼ドラキュラの生家?!

ドラキュラのモデル、ヴラドの生家

ワラキア公ヴラド・ツェペシュは、1431年にシギショアラ出身。敵のみならず、自国民の処刑でも串刺しという最も残酷な手段をとったため、オスマン・トルコの兵から“串刺し公”として恐れられました。後に、ブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』のモデルとなったことで、世界的に有名になりました。現在、ヴラド・ツェペシュの生家はレストランとなっていますので、ここでお食事をすれば思い出に残ること、間違いなし!

【世界遺産】堅牢な防御壁が圧巻!ビエルタンの要塞聖堂

ビエルタンの要塞教会

トランシルヴァニア地方は、ドイツ系やハンガリー系の入植者によって多くの教会が建てられ、周辺民族の侵入に備えて要塞化されたのが特徴。なかでも、シギショアラから南西に約30kmほど離れた場所にある世界遺産に登録されている「ビエルタンの要塞教会」はオスマントルコの侵入に備え整備された三重の防壁に圧倒されます。

カルパチア山脈の景勝地、シナイア

ペレシュ城

ルーマニア国土のおおむね中央部を南北に走るカルパチア山脈。その山間の渓谷の町シナイアは、『カルパチアの真珠』ともよばれる人気のリゾート地。首都ブカレストからも近く、夏は避暑地、冬はスキー観光客でいっぱいになります。ここでの見どころは、19世紀後半、時のルーマニア公でルーマニア初代国王となったカロル一世が建てた夏の離宮「ペレシュ城」。地名の由来ともなっている「シナイア僧院」は必見です。

ブラン城

ルーマニア中央部、ブラショフの町から南西約30kmの場所にドラキュラ城のモデルとなった「ブラン城」が岩山の上に聳え建っています。実際に、ここを居城としたのはドラキュラのモデルとなったヴラド・ツェペシュの祖父でした。20世紀初頭からルーマニア王家所有となり改装された際、秘密の階段などが設置され、迷路のような内部見学を楽しむことができます。

優雅さと独裁色を併せ持った異色の街、首都ブカレスト

15世紀半ば、ドラキュラのモデルとなったワラキア公ヴラド・ツェペシュの時代に、ブカレストは初めて文書にその名が記されました。20世紀初頭に初代国王カロル一世によりフレンチ・ルネッサンス様式の建築が建てられ、“バルカンの小パリ”とも呼ばれました。第二次大戦後、共産主義時代に多くの優雅な建物は壊されましたが、ところどころに優雅さをたたえた建物が残り、近代建築のデパートなどとともに混在する市内をバスで走るとブカレストがたどってきた歴史を感じさせられる景色が見られます。

国民の館(ブカレスト)

国民の館

ルーマニアで味わう名物料理

ルーマニア人にとって特別メニューといえば「サルマーレ」。クリスマスや新年、お祭り、結婚式など、お祝いの時には必ず食べる、ルーマニア風のロールキャベツのことです。そしてルーマニア人の主食として、様々なメインディッシュに添えられて登場するのは「ママリガ」。トウモロコシの粉を牛乳で練ったもので、イタリア北部の「ポレンタ」と似ています。また牛ひき肉の炭火焼き「ミティティ」は、ハンバーグに似ています。ルーマニアの料理は、日本人にとって馴染みの味に近く、食べやすい味で好評です。

サルマーレ

ルーマニアの伝統やお祭りにふれる

マラムレシュ地方の復活祭(復活大祭)

マラムレシュ地方の復活祭

ルーマニアの郷愁ただよう、素朴な暮らしが残る「マラムレシュ地方の復活祭(復活大祭)」は、是非見ていただきたいおすすめの伝統行事。
復活祭の前日、深夜におこなわれるミサ(礼拝)では、ひとかけのパンと聖なる火を灯したロウソクを持ち帰ります。朝になると男性も女性も伝統装束を纏い、パンやリンゴなどを入れたバスケットを持って教会を訪れ、ミサ(礼拝)で司祭が聖水や香をバスケットに施し、人々はそれを家に持ち帰り、家族みんなで食べるのです。この日の挨拶は、『クリストス、アンビアータ!(キリストが復活したね!)』。この挨拶を覚えて、復活祭(復活大祭)を現地でお祝いしましょう。

シビエル村のイスパス祭

イスパス祭

「イスパス祭」とは、キリスト昇天祭のことです。若者が司祭を出迎えミサ(礼拝)が始まります。独特なのは“レオシュタン”というセロリの葉っぱで互いの頭を叩いて無病息災を祈ること。ここでも、その地域ならではの伝統装束を纏った地元の人たちと昔ながらのルーマニア伝統行事の様子を見ることができる田舎の村祭りです。

熊祭り

東欧ルーマニアの北東部、モルダヴィア地方で毎年年末年始にかけ、人々が熊の毛皮を被って厄払いの儀式を行うお祭り。特にコマネシュティでは、周辺地域から多くの人が集って最大の祭典が開かれ、熊の数も多数!

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